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吉田部長の部屋

第6回目 ジェネリック医薬品と医療費とそれに関わる薬剤師の仕事の充実

12.01.24

  今回はジェネリック医薬品についてお話したいと思います。最近、新聞、テレビなどでジェネリック医薬品の広告を見たことはないでしょうか?「ジェネリック医薬品はお薬代を安くすることができます。お医者さまにご相談下さい・・・。」という内容です。
  それではジェネリック医薬品とはいったいどんなものかというと、開発費用のかかっていない医薬品、言い換えれば、コピー医薬品とも言われます。薬品製造に関わるコストは実際の薬価(国が定めた価格)に比べて格段に安くできています。ジュースの中でも名の通ったものと無名のメーカーのものを想像していただければ分かりやすいと思います。

  現在は情報の時代であり、消費者の意志で選択する時代です。同じ効き目(ジュースでいうと味)であればできるだけ低価格を望む方も入れば、逆に体に入れるものであるからできる限りしっかりしたメーカーを望む方もいらっしゃるでしょう。患者様がコスト意識を持って医療を受けることは結果として市場作用が働き、医療のレベルもアップすると思います。強いては日本の医療費の抑制につながることであると思います。

  それでは実際に突っ込んだお話としてジェネリック医薬品についての展望と、課題をお話したいと思います。最初にも申し上げたように、ジェネリック医薬品は医療費を抑える有効な手段であると思います。しかし、実際に使用されるには様々な問題も抱えています。まず第一に、その効果、有効性が問題になってきます。同じ成分、含量であっても吸収の違い効き目の違いがある可能性があり、品質が保証されていないという声もあります。実際にジェネリックは品質に疑問と答える、医師、薬剤師も多いのです。

  そのような問題点を解決するために、アメリカには『オレンジブック』 というものがあります。ジェネリック医薬品に関して発刊されているもので、FDA(米食品医薬品局)が先発品とジェネリック医薬品の生物学的同等性の判定を行い、 同等性の認められたものが掲載されています。その審査基準を公的に明らかにし、同じ検査方法で品質のレベルを明らかにしています。例えば、製剤の溶出性に係る品質が適当であると確認された品目が次々発表されています。

  また、主成分の測定例を例示するとともに、溶解度など基本的な情報、医薬品試験検査方法など明らかにし公表されています。保険制度の違い、コスト意識を強く持つアメリカではジェネリック医薬品が頻用される状況※1にあります。それに比べ日本では、『医療用医薬品 品質情報集(日本版オレンジブック)』が財団法人・日本公定書協会から出版されるなど、厚生労働省が勧める品質再評価の結果を知ることができますが、国をあげての整備は遅れているのが現状です。

  現行の日本での薬価制度※2ではジェネリックは新規発売の場合先発品の70%で薬価収載されますが、その後の薬価改定で薬価が下がり、ジェネリック医薬品の薬価は、先発品の2割程度迄の薬価に定められています。薬価が低いと、その分患者様の自己負担額も軽減されることになります。

  例えば、先発品100円とした場合、ジェネリック医薬品は70~20円に下がることになり、平均してお薬代が約半額になります。ただし、患者様が窓口でお支払いになる金額は、お薬代以外に医師の技術料や検査料等も含まれていますので、ここで半額になるというのは、純粋にお薬代だけをみた場合です。窓口で支払う金額=(診察代+検査代+お薬代)は、2割~3割程度安くなります。

  では、そのようなジェネリック医薬品が有効に使用される環境についてですが、先ほども述べましたように日本では評価環境が整っておらず、未だに一般名称処方が少なく商品名処方がまかり通っているというのが現状です。一般名称処方と商品名処方の違いは何か簡単に説明しますと、医師が商品名称で処方することにより、薬剤師はその商品しか患者様に渡せないということなのです。同じ成分でも各社から名前を変えて販売されているため、患者様に在庫が無いということでご迷惑をかけてしまうことがあるのです。

  結果として薬局職員が他の薬局にお薬を譲ってもらいに行くという無駄なコストが全国で消費されていっています。薬剤師が他の薬局に薬を分けてもらう際にかかるコストはいくら位か計算しますと、時給1800円(往復30分かかるとする)、1回あたりのガソリン代等の車にかかる経費500円(月の維持費50000円、一日5回使用)、分譲依頼にかかる経費(通信費等)300円を合わせると、1700円程度かかる計算になります。 

  同時に患者様には再度お薬を薬局に取りに行ってもらうか、時間が経ってからの配達ということになります。これもコスト計算すると相当な損失になっていることは間違いありません。医薬分業が進む現在、同成分ジェネリック医薬品が適正に使用されるには、一般名称処方にして薬剤師に選択権を与えなければ逆に無駄なコストがかかるということを、国民の皆さんに分かって頂けたらと思います。

  一般名称化が進めば、一定数の医薬品を薬局に置くことによってどこの薬局に行っても薬が揃うことになり、スマートなシステムが完成することになります。明らかにいいシステムと分かって頂けたと思いますが、それが進まないのはなぜなのでしょうか?

  医薬品メーカーが自分のところの商品を処方して欲しいがためにボールペンやメモ帳を配ること(文具メーカーが潤うかも知れないがすべて私たちの税金です。)、医薬品メーカーの役人、医師への接待等が改革を滞らせ国民の税金を食いものにしているのが現状なのです。国が方向性を示し、号令をかけなければいつまで経っても医療制度の赤字は減らないでしょう。この件に限らず・・・。ジェネリック医薬品のメリットを受けるためには一般名称処方がたいへん重要であることが分かって頂けたでしょうか?

  現在の日本の医療制度では、アメリカのように調剤薬局で「ジェネリックですか?ブランドですか?」と聞かれて「ジェネリックでお願いします」と言える環境ではありません。現行では、調剤薬局は、医師が処方せんに、先発品名ロキソニン錠を「一般名(成分名ロキソプロフェンナトリウム60mg錠)-規格単位-剤形」で記載すれば、調剤薬局でこの一般名に該当するジェネリック薬剤の中から、どのお薬を処方しても良いことになっています。
  アメリカでは、同じ効き目なら安い薬をという合理主義が官民挙げて徹底しており、ジェネリック医薬品は多用されています。

※1
アメリカの保険制度:日本のように全国民を対象とする公的な医療保険制度はなく、大多数の国民は「マネジドケア」と呼ばれる民間医療保険に加入し、高齢者、障害を持つ人は「メディケア」、低所得者は「メディケイド」と呼ばれる公的保険に加入しています。民間保険会社は、より安く健康保険を提供するためジェネリック医薬品での調剤を促進するようなプランを増やしてきており、公的保険についてもジェネリック医薬品での調剤が原則となっています。アメリカでは、ほぼ完全な医薬分業で、法律により代替調剤が認められていますので、患者さんが新薬とジェネリック医薬品を選択することができます。

※2
薬価制度:国が定める薬の定価。病院、薬局が保険支払い機関にこの値段で請求をかける。卸業者からは卸値で入るのでその差益が医療機関の利益となる。その差益は薬価が下げられるため年々、減少している。

ジェネリック医薬品使用におけるポイント
●開局薬剤師自身が最良である(薬学的見地より)と考える薬品が在庫できる
●薬剤師としての仕事の充実(薬剤師の地位向上につながる)
●医療費の抑制につながる
●薬局での薬品在庫を最小限に抑えることができる
●薬局主導の医薬品流通ができる
●患者様にお薬を待ってもらうことがなくなる(標準在庫薬品の設定)
●薬局の特色が出る。(情報をとるか価格をとるか)
●分譲に走り回ること自体が経済活勤から見て不経済であり、かっこ悪い

デメリット
●メーカーごとに剤形、色、味などが変わるので医師が直接薬剤について説明しづらい
●成分のばらつき、溶解性の差があり治療に影響が出る恐れがある
●選択するという作業が調剤ミスにつながる恐れがある
●レセコンの入力が煩雑になる
●患者様への説明に時間がかかる

課題
●商品名処方を廃止しなければならない(国が主導権を持って動くことが必要)
●薬剤師の知織のレベルを上げなければならない
●オレンジブックなどの評価機構が必要