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学会発表 日本医薬品情報学会総会 レニン・アンジオテンシン系薬剤による

レニン・アンジオテンシン系薬剤による
消化性潰瘍抑制効果―処方併用率の解析から―

○木村亮介1、井上 知美1、上田 香織2、豊田 英明2、
文原 智彦2、吉田 哲也2、小竹 武1
1近畿大学薬学部 2有限会社ツバイ うめ薬局
【目的】近年、レニン・アンジオテンシン系阻害薬であるARB(Angiotensin Ⅱ Receptor Blocker)が上部消化管潰瘍の抑制因子として報告された。そこでACE阻害薬(Angiotensin Coverting Enzyme Inhibitor)も含め、レニン-アンジオテンシン系抑制薬が、消化性潰瘍抑制因子としての効果が処方上、反映されているかどうかを検証することは非常に有意義であると考えられる。
【方法】平成20年1月~平成23年7月の総合病院の処方箋を受け付ける薬局の調剤報酬明細(のべ患者数130282人:男性64414人、女性65867人、保険種別:国民健康保険68667人、社会保険61614人)から、降圧分類薬処方を抽出し、ACE阻害薬あるいはARBの投与処方と非投与処方の消化性潰瘍薬であるH₂受容体拮抗薬(Histamine H₂-receptor antagonist)、PPI(Proton Pump Inhibitor)および防御因子増強薬の処方との併用状況を解析した。さらにNSAIDs(Non Steroidal Anti Inflammatory Drugs)、低用量アスピリン(バイアスピリン100mg、バファリン81mg)の投与群のACE阻害薬あるいはARBの投与処方と非投与処方の消化性潰瘍薬の併用状況を解析した。統計解析にはχ²検定を使用した。
【結果】降圧薬分類処方患者でARB処方は67.5%、ACE阻害薬処方は13.9%であった。消化性潰瘍治療薬との併用割合はARB処方とH₂受容体拮抗薬15.0%、PPI 20.0%、ACE阻害薬とH₂受容体拮抗薬20.9%、PPI 20.2%、その他の降圧薬とH₂受容体拮抗薬16.3%、PPI 17.8%であり、ACE阻害薬の消化性潰瘍治療薬との併用割合が高いことによる有意差が認められたが、ARBとその他の降圧薬では有意差は認められなかった。NSAIDsの使用の有無によって処方を分類し、解析したが、同様にACE阻害薬の消化性潰瘍治療薬との併用割合について有意差が認められたがARBでは認められなかった。低用量アスピリンを使用している処方で消化性潰瘍治療薬との併用割合はACE阻害薬では79.1%、ARBでは62.2%、その他の降圧薬では77.4%であり、ARB処方の場合において消化性潰瘍薬の併用割合が低いことによる有意差を認めた(P<0.01)。
【考察】降圧薬の投与患者において低用量アスピリンを使用している場合のARB処方は消化性潰瘍薬の使用割合が他の降圧薬よりも低いことが示されたが、NSAIDsが使用されている場合は消化性潰瘍薬の使用割合はその他の降圧薬と差が認められなかったことにより、レニン-アンジオテンシン系抑制薬は低用量アスピリンが発症する消化性潰瘍の抑制因子である可能性が示唆された。しかし、ACE阻害薬処方においてその傾向が認められず、同じレニン-アンジオテンシン系抑制であっても受容体拮抗と変換酵素阻害の作用機序の違いが今回の結果となった可能性があり、低用量アスピリンとNSAIDsの違いも含め、検討が必要である。